保育料がかかるのは0〜2歳児クラスだけです。3〜5歳児クラスは2019年10月から無料になっています。0〜2歳児クラスの金額は父母の市町村民税の所得割額をもとに市区町村が決めていて、国が定める上限は月額104,000円(保育短時間の認定は102,400円)です。
実際にはこの上限より低く設定している市区町村がほとんどで、同じ年収でも住む場所で金額が変わります。大阪市は2026年9月分の保育料から、0〜2歳児クラスの第1子も無償にしました。
保育料とは何ですか
保育料とは、認可保育所・認定こども園・地域型保育を利用したときに保護者が市区町村に払う「利用者負担額」のことです。子ども・子育て支援法第27条第3項第2号は、この額を「政令で定める額を限度として……市町村が定める額」と書いています。国が上限を決め、その範囲内で市区町村が自分の表をつくる仕組みです。
金額を決める要素は4つあります。
- 子どもの年齢クラス(0〜2歳児クラスか、3〜5歳児クラスか)
- 父母の市町村民税の所得割額(合算した額)
- 保育の必要量(保育標準時間の認定か、保育短時間の認定か)
- 住んでいる市区町村
計算のもとになるのは年収そのものではありません。市町村民税の所得割額です。同じ年収でも、扶養している人数や生命保険料控除、住宅ローン控除の有無で所得割額は変わります。年収で保育料表を読むと実際の階層とずれます。
所得割額は市区町村が課税情報として持っているため、保護者が園に提出する入園書類では保育料は決まりません。ZuMyが提供する入園書類のオンライン化サービス zuuumy では、児童票・緊急連絡先・生活状況票・健康問診票・食品調査票の5種類を保護者に入力してもらっていますが、この5種類に保育料を決める項目は1つも入っていません。保育料の決定通知を出すのは市区町村です。園からは届きません。
保育料が無料になるのは何歳からですか
無料になるのは、満3歳になった後の最初の4月1日からです。こども家庭庁は無償化の期間を「満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間」と書いています。誕生日の翌月から無料になるわけではありません。
たとえば2023年8月生まれの子は、2026年8月に3歳になっても、その年度のあいだは0〜2歳児クラスの扱いが続きます。無料になるのは2027年4月からです。年度途中に3歳を迎えた場合の扱いを、北名古屋市は保育料表の注記で「2歳児クラスのお子様で、年度途中に3歳を迎えた場合も、その年度中は3歳未満児の区分が適用されます」と明記しています。
0〜2歳児クラスでも、住民税非課税世帯は無料です。子ども・子育て支援法施行令第4条第2項第8号が、市町村民税世帯非課税者の額を「零」と定めています。
0〜2歳の保育料の上限はいくらですか
国が定める上限は、子ども・子育て支援法施行令第4条第2項に階層ごとに書かれています。保育標準時間の認定の場合、主な階層は次のとおりです。
- 市町村民税所得割合算額 397,000円以上:104,000円
- 301,000円以上397,000円未満:80,000円
- 169,000円以上301,000円未満:61,000円
- 97,000円以上169,000円未満:44,500円
- 48,600円以上97,000円未満:30,000円
- 48,600円未満:19,500円
- 住民税非課税世帯・生活保護世帯:0円
市区町村はこの上限より低い金額を設定できます。北名古屋市の令和8年度の保育料表では、いちばん上の階層(市民税所得割額397,000円以上)の0〜2歳児の保育料が保育標準時間で64,000円、保育短時間で62,900円です。国の上限104,000円の6割ほどの水準です。
大阪市は、令和8年8月分までの0〜2歳児クラスの保育料表でいちばん上の第23階層(所得割536,000円以上)が保育標準時間70,600円でした。この表は2026年9月分から役目を終えています。大阪市は「令和8年9月より0〜2歳児の第1子保育料の無償化を実施します」と案内し、住民税課税世帯の第1子まで無償の対象を広げました。保護者の申請手続きは不要です。
自分の保育料を知りたいときは、住んでいる市区町村の「利用者負担額」「保育料基準額表」というページを開いて、課税通知書に書かれた所得割額と照らしてください。国の表を見ても実際の金額は分かりません。
保育料が9月に変わるのはなぜですか
保育料の階層を決める住民税の年度が、9月で切り替わるためです。子ども・子育て支援法施行令第4条第2項第2号は、所得割額について「特定教育・保育のあった月が四月から八月までの場合にあっては、前年度」と定めています。4月から8月までは前年度の住民税、9月から翌年3月までは現年度の住民税を使います。
大阪市も保育料のお知らせで「令和8年4〜8月分の保育料 令和7年度市町村民税課税額をもとに階層決定」と書いています。前の年に収入が増えていれば9月から保育料が上がり、減っていれば下がります。9月の決定通知は、4月のものと金額が違っていて当然です。
育児休業から復帰して働き方を変えた年は、この切り替わりの影響が大きく出ます。時短勤務の決まりを使って収入が変わった年の保育料は、翌年の9月に反映されます。
無償化されても払うお金は何ですか
3〜5歳児クラスで無料になるのは保育料だけです。食材料費、通園送迎費、行事費は無償化の対象から外れています。こども家庭庁の自治体向けFAQは、保護者から施設が徴収しているこれらの経費について「無償化の対象とはなりません」と回答しています。
食材料費のうち、おかずとおやつにあたる副食費は月額4,500円が目安です。無償化の前は公定価格のなかに月額4,500円として積算されていた費用で、こども家庭庁は施設が徴収するときも「この月額4,500円を目安とします」としています。ごはんやパンにあたる主食費は別で、金額は園によって違います。
副食費が免除される世帯もあります。年収360万円未満相当の世帯と、所得にかかわらず第3子以降の子どもが対象です。保育認定(2号認定)の基準は市町村民税所得割合算額57,700円未満、ひとり親世帯等は77,101円未満です。
延長保育料は無料になりません。こども家庭庁のFAQは、保育標準時間認定と保育短時間認定のどちらの場合も「延長保育を利用した際の利用料は無償化の対象とはなりません」と明記しています。北名古屋市の公立保育園では、午後6時30分を超えて利用すると園に応じて月額1,000円または2,000円がかかります。
0〜2歳児クラスの給食費の扱いは市区町村で違います。静岡市は「0〜2歳児クラスは保育料に給食費も含まれます」と案内していて、保育料とは別に給食費を払う形にはなっていません。
第2子・第3子の保育料はどうなりますか
0〜2歳児クラスの第2子は半額、第3子以降は0円です。子ども・子育て支援法施行令第13条第1項が、2番目に年長の満3歳未満保育認定子どもは「百分の五十を乗じて得た額」、3番目以降は「零」と定めています。
数え方に条件が付きます。こども家庭庁は、保育所等を利用する最年長の子どもを第1子として数えると説明しています。上の子が小学生になると下の子が第1子に繰り上がり、保育料が上がります。年収360万円未満相当の世帯については、第1子の年齢を問いません。
この数え方を市区町村が独自に広げている例があります。静岡市は「第2子以降のお子さんの保育料は無料です」と案内しています。北名古屋市はC階層からD3-1階層の世帯について「お子様の年齢を問わず」2人目は基準額の半額、3人目以降は0円としていて、上の子が小学生になっても下の子が第1子に戻らない扱いです。
自分の家が何人目として数えられるかは、きょうだいの年齢と世帯の所得割額で変わります。保育料の決定通知に書かれた階層と人数を確認して、合わない場合は市区町村の保育担当課に問い合わせてください。
よくある質問
保育料は年収いくらから高くなりますか
国の上限額を区切っているのは、年収ではありません。市町村民税の所得割額です。父母の所得割合算額が397,000円以上になると、0〜2歳児クラスの上限が月額104,000円(保育短時間は102,400円)になります。実際の金額は市区町村が上限の範囲内で決めるため、住んでいる市区町村の保育料表で確認してください。
3歳になったらすぐ保育料は無料になりますか
無料になるのは満3歳になった後の最初の4月1日からです。こども家庭庁は無償化の期間を「満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間」としています。誕生日が来た月に切り替わる仕組みではありません。
延長保育料も無料になりますか
無料になりません。こども家庭庁の自治体向けFAQは、保育標準時間認定と保育短時間認定のどちらでも延長保育の利用料は無償化の対象外だと回答しています。市区町村が独自に所得に応じた軽減を行っている場合があるため、園と市区町村の案内を確認してください。
認可外保育施設の保育料も無料になりますか
市区町村から「保育の必要性の認定」を受けた場合に、3〜5歳は月額3.7万円まで、0〜2歳の住民税非課税世帯は月額4.2万円までが無償化されます。対象になるのは、都道府県等に届出を行い国の基準を満たした施設です。保育所や認定こども園を利用できていない方が対象になります。
出典
- 子ども・子育て支援法 第27条(e-Gov法令検索、確認日: 2026年10月25日)https://laws.e-gov.go.jp/law/424AC0000000065
- 子ども・子育て支援法施行令 第4条・第13条(e-Gov法令検索、確認日: 2026年10月25日)https://laws.e-gov.go.jp/law/426CO0000000213
- 幼児教育・保育の無償化概要(こども家庭庁、確認日: 2026年10月25日)https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/mushouka/gaiyou
- 幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2024年7月1日版】(こども家庭庁、確認日: 2026年10月25日)https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fbea17f8-33d0-4a70-8ea6-84f3402bad73/15f5e496/20240711_policies_kokoseido_mushouka_23.pdf
- 令和8年度 保育施設等の保育料のお知らせ(大阪市、確認日: 2026年10月25日)https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000501/501253/01_R8shirituhoikusho.pdf
- 令和8年度 保育料等について[2・3号認定子ども向け](北名古屋市、確認日: 2026年10月25日)https://www.city.kitanagoya.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/326/r8hoikuryo5.pdf
- 利用者負担額(保育料)(静岡市、確認日: 2026年10月25日)https://www.city.shizuoka.lg.jp/s5783/s002038.html
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著者: 小泉太郎(ZuMy株式会社 代表取締役CEO)

